記事一覧

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【SS】みつば「杉崎を本気で落としにいくわ」


みつば「私気付いたのよ」 

みつば「杉崎ってちんちくりんだけど仮にもブルジョアじゃない? 実際私もその恩恵に何度かあやかってるわけだし」 

みつば「だとしたら喧嘩なんかするより、仲良くなって私のためにジャブジャブお金を吐き出すようにした方が良いに決まってるのよ」 

みつば「そう! 完璧な私の下僕にしたてあげて、杉崎の財産を私の物にするのよ! 私の手にかかればあんなぴょんぴょん楽勝で落とせるに決まってるわ!」 

みつば「……なによ、よくある百合展開だとでも思ったの? そんなわけないじゃない。あんな盗撮女なんて願い下げよ」 

みつば「見てなさい杉崎! すぐに私に媚びへつらう真性の下僕として育て上げてやるわ!」 

ふたば「みっちゃん一人で何やってるっスか?」 

みつば「出てくるんじゃないわよふたば。こういうのは突っ込まないのがお約束なのよ」



教室 

みつば「おはよう杉崎」 

杉崎「おはようみつば。それでね、このペンケースは……」 

杉崎「」 

杉崎「え!?」 

みつば「? どうしたのよ?」 

杉崎「え、だ、だってみつばが私に普通に挨拶を…!?」 

宮下「あたしもちょっとびっくりしたぞ…。珍しいな長女…」 

吉岡「二人とも、そんな言い方したらみっちゃんに悪いよ」 

みつば「たまには普通に挨拶しようと思っただけじゃない。毎日いがみ合っても疲れるだけよ」

 杉崎「ま、まぁそうよね…挨拶くらい別に……」 

杉崎「……」 

杉崎「……あ、あんた今日ちゃんと自分のパンツ履いてる?」 

宮下「ぶっ!?」 吉岡「杉ちゃん…!」 

みつば「…履いてるわよ。なに? パンツ見たい? 言えばいつもみたいに撮らせてやっても良いわよ?」 

杉崎「あ、あんたのパンツなんて見たいわけないじゃない! 誰がわざわざダッサイパンツなんて撮るもんですか!」 

宮下「いつも撮ってるだろ…」 

みつば「ダサいパンツダサいパンツって……だったらあんたのオススメのパンツでも寄越しなさいよ」 

杉崎「誰があんたに私のパンツを……!」 

杉崎「? …ダサいのは認めるの?」 

みつば「人のセンスはそれぞれよ。ダサいって言うならあんたの言うセンスあるパンツを見せてみなさいよ」 

杉崎「はぁ!? パンツ見せろだなんて変態ね! やっぱりみつばは…」 

みつば「だから履いてないのを持ってきてって言ってるのよ」 

杉崎「そ、そう…」 



杉崎「結局明日オススメのパンツを渡す事になってしまったわ……」 

宮下「今日の長女はやけに大人しいな……」 

吉岡「も、もしかして杉ちゃんと仲良くなりたいんじゃないかな?」 

杉崎「! ち、違うわ! 絶対違うわよ! みつばの事だから何か企んでるのよ! そうに決まってるわ!」 

宮下「杉崎が必死になってどうすんだよ…。でも案外吉岡の言う通りなんじゃないか?」 

杉崎「なんでよ!」 

宮下「なんでって……それは知らないけど。なんかあったんじゃないか? 心境の変化みたいな…」 

杉崎「違うわ! みつばがあんなに素直だなんて…! 絶対なにか企んでるのよ! 出なきゃパンツを履き間違えてるんだわ!」 

宮下「パンツ間違えたくらいでそんな変わらないだろ…何なんだよそのパンツ論」 



杉崎「ふたば」 

ふたば「? 杉ちゃんどうしたっスか?」 

杉崎「さっき盗撮したみつばのパンツなんだけど……これあんたのパンツじゃない? それか三女のとか…」 

ふたば「……この動物プリントは間違いなくみっちゃんのパンツっスよ?」 

杉崎「そう……」 

ふたば「みっちゃんのパンツがどうかしたっスか?」 

杉崎「いや、何でもないわ…」 



杉崎「ねぇ聞いてー、またパパに最新のケータイ買ってもらったのー」 

吉岡「いいなー杉ちゃん。私ずっと同じケータイだよー」 

杉崎「まぁ庶民のみつばさんは最新どころかケータイすら買ってもらえないようだけどー?」 

宮下「またお前はそんな露骨な……」 

みつば「」ガタッ 

杉崎「! あーら、なにかしらみつばさん?」 

みつば「……さすが金持ちは違うわねー。私もパパにお願いしてるんだけど、なかなか買ってくれないのよ。それが最新のケータイ? ちょっと見せてみなさいよ」 

杉崎「……え、えぇ…いいわよ…」 

みつば「これって操作どうやるの?」 

杉崎「これは……ここを押したらメニューが出るから……」 



杉崎「誰よアイツ!」 

宮下「普通にケータイ見せて終わったな…」 

吉岡「杉ちゃんとみっちゃん普通の友達みたいだったよ」 

杉崎「嫌よ! あんなのみつばじゃないわ! ケータイに入ってる盗撮画像見せても何も言わなかったのよ!?」 

宮下「それは本人に見せるなよ…」 

吉岡「杉ちゃん気になるなら、みっちゃんに直接聞いてみたらどうかな?」 

杉崎「……」 

吉岡「ほ、ほら、私応援するよ?」 

宮下「吉岡また何か勘違いしてないか…?」 



杉崎「みつば」 

みつば「なによ杉崎」 

杉崎「どうしたって別に…何でもないんだけど……あ、あんたこそどうしたのよ」 

みつば「……? なにが?」 

杉崎「何がって、その、変じゃないの……大人しいっていうか…」 

みつば「いつも喧嘩ばかりしたって疲れるじゃない。それにあんたの言う通り私は庶民だし、ブルジョアのあんたと張り合ったって仕方ないわ」 

杉崎「……そ、そーね! 私とみつばじゃ階級が違うものねー! やっと自分が格下である事に気付いたのかしら!」 

みつば「まぁ言い方は悪いけどそういう事よ。それじゃ私帰るけど、あんた一緒に帰る?」 

杉崎「だ、誰があんたと一緒に帰るもんですか!」 

みつば「そう、じゃあまた明日杉崎」 

杉崎「……」 



丸井家 

みつば「あーおっかしい! 杉崎のあの顔を額に飾って家宝にしてやりたいわ!」 

ひとは「また下らない事やってたね。杉崎さんどころかクラスのみんな驚いてたよ」 

みつば「まずは杉崎からこれまでの私を奪い取って動揺させる! いがみ合っていた日常のお預け! すぐにアイツはいつもの私を欲しがるようになるわ!」 

ひとは「その計画性をダイエットに使いなよ。それと、どうせやるなら徹底して家でも大人しくして欲しいんだけど」 

みつば「嫌よ! 杉崎もいないのに上品ぶったって何の意味もないじゃない! 私だってあんなキャラ気持ち悪くていつまでもやってられないわ!」 

ひとは「根っこが雌豚だからどうせボロが出るよ」 

みつば「あー楽しみ! 下僕にしたら何を命令してやろうかしら!」 



翌日 

みつば「おはよう杉崎」 

杉崎「お、おはよう…。…ほら」 

みつば「? なにこの袋?」 

杉崎「昨日言ってたパンツよ…。その、あげるから……」 

みつば「へー、くれるの。 ありがとう杉崎」 

杉崎「お、お礼なんて言わないで! ……あんたらしくないんだから…」 

みつば「明日履くから、見せてやっても良いわよ?」 

杉崎「見せなくていいわよ! 変態じゃないのあんた!」 

みつば「冗談なのに怒るんじゃないわよ」 

杉崎「あーもう……!」 



宮下「今日も昨日と同じみたいだな」 

杉崎「気持ち悪い……」 

宮下「まぁ確かに見てるだけでも調子狂うな…」 

吉岡「や、やっぱり杉ちゃんと仲良くなりたいんだよ!」 

杉崎「もうあんた黙ってなさいよ……」 

杉崎「……」 

宮下「ケータイでなに見てんだ?」 

杉崎「アイツが怒ってる写メを探してんのよ……」 

宮下「お前も大分重症だな…」 

杉崎「はぁ……面白くないわ…」 



杉崎「三女」 

ひとは「……どうしたの杉崎さん」 

杉崎「その……みつばの事なんだけど、何かあったの?」 

ひとは「……別に何もないよ。家ではいつも通りだよ」 

杉崎「家ではいつも通りなの……?」 

ひとは(別に雌豚の計画がどうなろうと知った事ではない……) 

ひとは「そうだよ。家では相変わらず我が家の財政を圧迫してるよ」 

杉崎「そう……だったら…」



みつば「え!?」 

杉崎「だから、今日みつばの家に泊まりに行くって言ってるのよ。すでに三女から許可はもらってるわ」 

みつば「泊まりに…」 

杉崎「なによ? あんただって私の家に泊まったじゃないの。今度は私が泊まりにいっても良いでしょ」 

みつば「……そ、そうね。歓迎するわ杉崎」 

みつば(まさか疑ってる? この私の完璧な演技が見破られたと言うの…!?) 

みつば(そうはいかないわよ杉崎……! 完璧に騙しきって見せるんだから…!)



宮下「お前なにがしたいんだよ…」 

杉崎「三女から聞いたのよ! みつばの奴、家ではいつも通りらしいの! 私の前だけ猫被ってたんだわ!」 

吉岡「って事はやっぱり杉ちゃんと仲良く…」 

杉崎「違うわ! 絶対なにか企んでるのよ! バカみつばの事だから家まで着いていけば絶対ボロを出すはずよ! 化けの皮を剥いでみせるんだから!」 

宮下「ここまで疑われる長女も哀れになってきたな…」 





丸井家 

草次郎「えっと…みくちゃんだったかな? お寿司の時以来だね。その……ひとはの料理は口に合うかな?」 

杉崎「はい。とっても美味しいです」 

草次郎「ほ……それは良かった」 

ふたば「ひとの料理はいつも絶品っス!」 

みつば「……」 

ひとは(みっちゃんの箸が全く進んでない……。これは杉崎さんがいるだけで我が家の食費が半分に削減できるのでは……) 

草次郎「おや、みつば今日は静かだな? まだおかわりはいいのか?」 

みつば「…! た、食べるわよ! いちいち食べてるところ見るんじゃないわよ! キモいわね!」ムシャムシャ 

草次郎「こら…お客さんのいる前でそんなこと言うんじゃない」 

みつば「こ、こんなやつ客なんかじゃ…」 

杉崎「……」ジー 

みつば(…! な、なんか期待した目を向けられてる……。ここで耐えなければ私の計画が……!) 

みつば「そ、そうね、せっかく杉崎が来てるんだからみっともない事はやめとくわ!」 

草次郎「おぉ、今日は素直だな。いつもそうだとパパも嬉しいんだけどな」 

杉崎「……」ショボン 

みつば(いける! いけるわ! 間違いなくいつものを私を欲してる! なんて憐れなの杉崎!) 

みつば(このまま続ければ不意に私がいつもの調子に戻って罵倒した時、杉崎はそこに喜びを見出だすようになるはず! なんて完璧な計画なのかしら!) 

みつば「ふ、ふふ……ふふふふ…」ムシャムシャ 

ふたば「みっちゃん変な笑い方してるっス」 

草次郎「友達が来てるから楽しいんだろう」 

ひとは(どうせろくでもないこと考えてるよこの雌豚は…) 

杉崎「……」 



草次郎「お風呂はどうする? 誰か一緒に入るのかい?」 

杉崎「いえ、私は別に一人でも……」 

みつば「あら、一緒に入りましょうよ」 

杉崎「!?」 

ひとは「私はお皿洗うから後で良いよ」 

ふたば「小生もパパと入るから後が良いっス」 

草次郎「それじゃあ、みくちゃんとみつばの二人で入るって事でいいかな?」 

みつば「そうしましょ杉崎、ね?」 

杉崎「え、えぇ」 



風呂 

杉崎「ちょっとみつば! 先に体を洗いなさいよ!」 

みつば「なーに言ってるのよ。そんな事やってたら湯が冷めちゃうじゃない。あんたも早く浸かりなさいよ」 

杉崎「マナーくらい守りなさいよ。これだからみつばは庶民なのよ」 

みつば「家でマナーを気にするなんて堅苦しいのねーブルジョアは」 

みつば「……あれ? あんたが持ってきたシャンプー良い匂いじゃない。私にも使わせなさいよ」 

杉崎「だ、誰があんたなんかに……!」 

杉崎「……」 

杉崎「……ま、まぁ、特別に使わせてあげるわ」 

みつば「ありがとう杉崎」 

杉崎「別に……」 



杉崎「ちょっと! 私が入るんだから交替して体洗ったらどうなの!?」 

みつば「良いから入りなさいよ。向かい合わせなら二人で入れるじゃない」 

杉崎「嫌よ! ただでさえ狭いのに! どうして庶民のお風呂ってこんなに狭いのかしら!」 

みつば「いいから入りなさいよ」ガシッ グイッ 

杉崎「ちょっと! もう……! …わかったから離しなさいよ」 

ザブン 

杉崎「……」 

みつば「湯加減はどう?」 

杉崎「…みつばがいること以外は悪くないわ」 

みつば「そう」 

杉崎「……」 

杉崎「………みつば」 

みつば「なによ?」 

杉崎「あんた最近、なに企んでるのよ」 

みつば「企んでるって、なにが?」 

杉崎「だから、最近…突っかかって来ないっていうか……」 

みつば「なに? 突っかかって欲しいの?」 

杉崎「そっ……そうじゃないけど…。…急に変わられたら、こっちの調子まで狂うじゃない」 

みつば「私は大人になったのよ。成長して一足先に子供を卒業したってわけ」 

杉崎「……」 

みつば「似た者同士だから反発してたけど、よく考えたら、似た者同士だからこそ理解し合える部分も多いはずなのよ。大人な私はその事に気付いたの」 

みつば「昨日の敵は今日の友、って言葉もあるじゃない。ね?」 

杉崎「……う」 

杉崎「う、嘘ばっかり!」ザバァ 

みつば「なによわざわざ立ち上がって」 

杉崎「あんたがそんな大人な考え持ってるわけないじゃない!」 

みつば「ちょっと…響くからやめなさいよ」 

杉崎「なによ一人で大人ぶって! 冗談じゃないわ! 庶民のあんたとブルジョアの私じゃ丸っきり違うの! 理解なんてできるもんですか! 絶対なにか企んでるに決まってるんだから!」 

みつば「はん、子供ね杉崎。なーに? もしかしてぇ、私から罵倒されるのが好きだったりしたのかしらぁ?」 

杉崎「そうじゃないわよ! 見てなさい! 絶対企みを暴いてやるんだから!」バシャ 

みつば「もう上がるの?」 

杉崎「シャンプーもリンスも置いとくから使ったら部屋まで持ってきなさいよ!」 

みつば「わかってるわよ。ありがとう杉崎」 

杉崎「……っ!」 

ガチャ バタン! 

みつば「……」 

みつば「ふ、ふふ……」 

みつば「あはははははは!!」バッシャバッシャ 

みつば「なにあいつ! 真剣に怒っちゃって! バッカじゃないの!」 

みつば「何がブルジョアよ! もうすぐ庶民の私に搾取されるだけの存在になるとも知らずに!」 

みつば「それにしても杉崎の奴……やっぱり疑ってるのね……。もう少し演技を続ける必要がありそうだわ」 

みつば「はー面倒ね。清楚でなおかつ女優顔負けの演技力を持ってる私ならイチコロだと思ったのに」 

みつば「ふ、ふふ……! ああ、早く罵倒を懇願する杉崎が見たいっ……!」 



三つ子部屋 

ガチャッ 

ふたば「あ、杉ちゃん。小生は今日パパと寝るから杉ちゃんは小生の布団で…」 

杉崎「ふたば!」 

ふたば「? どうしたっスか?」 

杉崎「あんたみつばが何か言ってたの聞いてない!? 例えば私の事とか!」 

ふたば「杉ちゃんの事っスか?」 

杉崎「絶対なにかあるはずよ!」 

杉崎「三女は!?」 

ひとは「えっ…!」ビクッ 

ひとは(計画は知ってるけど……中止にされると雌豚がまたいつもの雌豚に戻ってしまう…) 

ひとは「し、知らない…かな…」 

ふたば「あ」 

杉崎「なに? なにか思い出したの?」 

ふたば「そういえばみっちゃん、杉ちゃんを落とすって言ってたっス」 

杉崎「おとす?」 

ふたば「小生もよくわからないっス」 

ガチャッ 

草次郎「ふたば、ひとは、みつばが上がったからお風呂入ろうか」 

ふたば「あ、パパ! 入るー!」とてちてとてちて 

ひとは(問い詰められる前に逃げよう)スィ〜 

ガチャッ バタン 

杉崎(おとす……?) 



ガチャ 

みつば「まぁまぁの湯だったわ。あら杉崎、今日はふたばの布団で寝るの?」 

杉崎「ええ…」 

みつば「って事はふたばはパパと寝るのね。アイツもいつまでも子供よねー」 

杉崎「そうね」 

みつば「? あ、そうだシャンプーとリンスは袋に入れといたわよ。ありがとう杉崎」 

杉崎「ええ、その辺に置いといて」 

みつば(? 妙に大人しくなったわね…) 

杉崎(落とす……?) 



就寝 

ひとは「すぅ…すぅ…」 

みつば「スピー…スピー…」 

杉崎「………」 

杉崎(落とすって何かしら…) 

杉崎(穴に? どこか崖から?) 

杉崎(でもそんな物理的な事で態度を変えたりするかしら…?) 

杉崎(落とす……精神的に? 精神的って…) 

杉崎(……まさか!?) 



朝 

みつば(ああ…杉崎がバカ面で寝てるわ…!) 

みつば(投げたい! ぬいぐるみを投げて叩き起こしてやりたい…!) 

杉崎「ん…」パチ 

みつば「あ」ギクッ 

杉崎「なに…みつば?」 

みつば「べ、別に! ただ何となく見てただけよ!」 

杉崎「!」 

杉崎(やっぱり…間違いないわ…!) 

杉崎(みつばは) 

杉崎(みつばは私の事が好きなんだわ!!!) 





学校 

杉崎「……」 

宮下「なぁ杉崎、朝から深刻な顔してどうしたんだよ。三つ子の家で何かあったのか?」 

吉岡「私たち相談に乗るよっ?」 

杉崎「……」チラッ 

宮下「?」 

杉崎「……」チラッ 

吉岡「?」 

杉崎「……」 

杉崎「…宮下、ちょっと来て」 

吉岡「えぇっ!?」 

宮下「お、そうだよな! やっぱ相談するならあたしだよな!」 

吉岡「そんなぁ…」 



宮下「で、何があったんだよ。あたしが何でも相談にのってやるぜ?」 

杉崎(ウザ…) 

杉崎「実は…」 

宮下「うんうん」 

杉崎「……絶対誰にも言うんじゃないわよ?」 

宮下「任せろって。こう見えてあたしは口堅いからさ」 

杉崎「実は…」 

宮下「うんうん」 

杉崎「……絶対誰にも…」 

宮下「心配するなよ! あたしたち友達だろ? 友達の秘密を漏らしたりしないって!」 

杉崎「そうよね…」 

杉崎「……」 

杉崎「絶対誰にも…」 

宮下「もういいよ! 信用ないなら聞かねぇよ!」 

杉崎「待って宮下! 話す話す! 話すから!」 

杉崎「実は…かくかくしかじか」 

宮下「はぁ!?」 

杉崎「ちょっと…! 大きな声ださないでよ!」 

宮下「ああ、悪い。で、長女が何だって?」 

杉崎「だから…みつばが私の事を好き…」 

宮下「はぁ!?」 

杉崎「もう話さない!」 

宮下「待て待て! 悪かった杉崎! 静かにしてるから!」 

杉崎「もう……あんた本当に誰にも話さないでしょうね?」

宮下「話さないって。それより何で長女が杉崎の事を好きってことになるんだよ」 

杉崎「ふたばから聞いたのよ。みつばが私を落とそうとしている、って」 

宮下「……穴に?」 

杉崎「あんたと同じ発想だった自分が悲しいわ」 

杉崎「そうじゃなくて。最近のみつばの言動と照らし合わせると、どう考えても私に好かれようとしてるとしか思えないじゃない」 

宮下「いや歩み寄ってるような感じはするけど……それはちょっと飛躍しすぎなんじゃないか?」 

杉崎「だって! 昨日一緒にお風呂に入るって言い出したのよ!?」 

宮下「ぶっ!? それは……確かに怪しくなってくるな…」 

杉崎「それに…ちょっと見てなさい宮下」 



みつば「……」 

杉崎「あらぁ、みつばさん。窓際で一人で日向ぼっこ? 美味しくなると良いわねぇ?」 

みつば「……別に熟成させてるわけじゃないわよ。なに? 何か用なの?」 

杉崎「別にー? 窓際にハムが置きっぱなしだと思ったらみつばだったから声を掛けてみただけよぉ」 

みつば「そう。……痩せなきゃダメよねぇ。どうやってもダイエットが続かないわ」 

杉崎「みつばさんじゃ一生かかっても無理じゃないのかしらー?」 

みつば「……まぁ頑張ってみるわ」 



宮下「お前すげぇ嫌な奴だったな…」 

杉崎「どう!? あれだけ言っても怒らないのよ!?」 

宮下「まぁ確かに…あれはあたしだったとしても怒ると思うな」 

杉崎「もう一回行ってくるから見てて」 

宮下「いやお前もう一回とか…例え好かれてても嫌われるぞ……」 

杉崎「今度は好意的にやるわ」 



ピロリロリーン 

みつば「……? 今度はなによ?」 

杉崎「何となく撮ろうと思っただけよ」 

みつば「そう。撮る時は言いなさいよ。いきなり撮られるのあまり良い気分じゃないから」 

杉崎「そうね、次からそうするわ」 

杉崎「……ねぇみつば、一緒に撮らない?」 

みつば「…………はぁ?」 

杉崎「いいじゃない。よく考えたら私のケータイってあんたの画像ばっかりで私が写ってるのが無いのよ」 

みつば「……だったら自分を撮ったら良いじゃない。私が撮ってやってもいいわよ」 

杉崎「そ、それじゃ面白くないじゃない。一緒に撮りましょうよ。ね?」 

みつば「………別に良いけど」 

杉崎「じゃあ撮るから隣に……」

みつば「ちょ、ちょっとあんた…! 顔が近いわよ!」 

杉崎「し、仕方ないじゃない……! 写る範囲が狭いんだから!」 

みつば「だったら他の人に頼んだら良いじゃない! ほら、宮下が暇そうにしてるわよ!」 

宮下「え、い、いや、あたしは今手が塞がってて……」 

杉崎「ほ、ほらみつば! ケータイを見なさいよ! それとも私と写るのが嫌なの!?」 

みつば「嫌に決まって………っ! ……い、嫌じゃないわよ…」 

杉崎「だったら撮るわよ! わ、笑いなさいみつば!」 

ピロリロリーン 



宮下「何でお前がテンパッてるんだよ」 

杉崎「な、なんだか私の方がドキドキしてしまったわ……」 

宮下「ミイラとりがミイラみたいな…」 

杉崎「で、でもこれで分かったでしょ!? みつばは私の事が好きなのよ! そして私を攻略しようとしてるのよ!」 

宮下「攻略って……。でもあたしには正直、長女が杉崎を落とそうとしてるようには見えないぞ? 確かに嫌ってはなさそうだったけど、やっぱり何かの間違いじゃないか?」 

杉崎「そんな……でもふたばが…」 

宮下「ふたばだろ?」 

杉崎「……そうね…よく考えたらふたばだったわ…」

宮下「だいたい長女が杉崎を好きだったとして、杉崎の方はどうなんだよ?」 

杉崎「私?」 

宮下「長女が杉崎を落とそうとしてるなら、その先は杉崎次第だろ?」 

杉崎(宮下がまともな事を……) 

宮下「どうなんだよ? 言ってみろよ、あたしはどんな答えでも杉崎を応援するからさっ」 

杉崎(ああやっぱりウザい……) 

杉崎「私は………」 



丸井家 

みつば「何なのよアイツ!」 

ひとは「計画は順調みたいだね」 

みつば「ちょっと黙ってなさいよ!」 

みつば「何なのアイツ! いきなり喧嘩売ってきたと思ったら今度は馴れ馴れしく一緒に写メだなんて!」 

ひとは(杉崎さん、みっちゃんの計画に気付いたのかな……。だとしたらなかなか大胆なからかい方だったけど) 

みつば「ああ、思い出しただけでハラワタ煮えくり返るわ…! アイツとツーショットで写メだなんて…!」 

ひとは「みっちゃんハラワタ多そうだね」 

みつば「うるさいわね……」 

みつば「まぁ見てなさい…。あんなあからさまにバカにしてきたのはきっと私から罵倒してもらおうとしてたのよ。望み通り明日はめっためたに罵倒してやるんだから…!」 

ひとは(よく考えたら杉崎さんのおばさんが変態だし有り得ない話でもないのかな。変態は遺伝するのだろうか……) 



杉崎邸 

杉崎「……」 

麻里奈「あらぁみくちゃん、考え事?」 

杉崎「ママ…」 

麻里奈「学校で何かあったの?」 

杉崎「……ママは、みつばのこと好き?」 

麻里奈「あら、みつばちゃんの事なの? もちろん大好きよ」 

杉崎「どういう所が好きなの?」 

麻里奈「そうねぇ…変わってて面白くて可愛いし、何よりみくちゃんのお友達だもの。ママはみくちゃんのお友達なら皆大好きよ?」 

杉崎「違うの! そういう好きじゃなくて…」 

麻里奈「そういう好きじゃないって……」 

麻里奈「! ……あら、あらあらあらみくちゃん。もしかしてみつばちゃんの事そういう好きになっちゃったの?」 

杉崎「そ、そうじゃないの!」 

杉崎「そうじゃないけど……よく分からないの」 

麻里奈「分からない?」 

杉崎「みつばの事は…嫌いだと思ってたけど……何だかんだ一緒によく遊んでるし、お互いの家にもよく行ってて……。もしかしたら自分で思ってるほど、みつばのこと嫌いじゃないのかなって……」 

麻里奈「あらぁ…そうだったの…」 

杉崎「ねぇママ! ママは私の事どう見える? みつばのこと嫌ってるように見える?」 

麻里奈「あらあらみくちゃん…そうねぇ」 

麻里奈「ママは、みくちゃんはみつばちゃんの事が大好きなんだと思ってたわ」 

杉崎「え!?」 

麻里奈「だってみくちゃん、みつばちゃんといる時が一番元気だもの」 

杉崎「みつばといる私…」 

麻里奈「もちろんお友達としての好きだと思ってたけど、みくちゃんは今どっちの好きか分からなくて悩んでるのね?」 

杉崎「…………分からない」 

麻里奈「みくちゃん…」 

杉崎「だって! だって私みつばの事そんな風に考えたことなかったんだもん! そもそも友達としての好きなんて、そんなつもりも無かったんだから!」 

麻里奈「あらあらみくちゃん、落ち着いて。ほら抱っこ抱っこ。ね?」 

杉崎「……」 

麻里奈「大丈夫よみくちゃん。難しく考えなくていいの。そうねぇつまり…みくちゃんは、みつばちゃんと仲良くなりたいのね?」 

杉崎「みつばと…仲良く…」 

麻里奈「一緒に遊んだり、お買い物したり…」 

杉崎「……」 

麻里奈「罵倒されたり、鞭で叩かれたり…」 

杉崎「」 

麻里奈「熔けた蝋を垂らされたり、人間椅子にされたり…」 

杉崎「ちょ、ちょっとママ…」 

麻里奈「したいのね?」 

杉崎「私ママのそういうところ分からない」 

麻里奈「あらぁ…やっとみくちゃんが目覚めたと思ったのに…」 

杉崎「もう! 私をママと一緒にしないで!」 

麻里奈「冗談よみくちゃん」 

杉崎「もう…」 

麻里奈「でもみくちゃん? みくちゃんがどっちの好きだったとしても、みつばちゃんと仲良くしたいって気持ちは同じでしょ?」 

杉崎「……」 

麻里奈「だったらその気持ちに素直になって、みつばちゃんと仲良くして…。どっちの好きか悩むのは、その後でも良いんじゃない?」 

杉崎「……」 

麻里奈「焦らなくても良いのよ、みくちゃん。ね?」 

杉崎「……うん」 



翌日 登校中 

宮下「よ、杉崎」 

杉崎「ああ宮下。おはよう」 

宮下「なぁ杉崎、あたし考えたんだけど、やっぱ長女は……」 

杉崎「もういいわ」 

宮下「え? もういいって何だよ?」 

杉崎「もういいのよ。みつばがどういうつもりか知らないけど、向こうが歩み寄ろうとしてるなら、その、わ、私も歩み寄ってあげようと思うの」 

杉崎「だからみつばの本心を知るのは、その後でいいわ。……私の気持ちも」 

宮下「ちょ、ちょっと待てよ! なに一人で解決してるんだよ! 相談を受けたあたしの立場はどうなるんだよ!」 

杉崎「は? あんたの立場なんてどうでもいいわよ。私の悩みなんだから、私が解決したらそれで良いじゃないの」 

宮下「よくないよ! ほら杉崎、こういうのはさ、友達であるあたしのアドバイスで何やかんやあって解決するもんだろ? これじゃあたしが役立たずみたいじゃないか」 

杉崎「話聞いてくれたのは感謝してるわよ。でももういいって言ってるじゃない」 

杉崎(みつばと仲良く……) 

宮下「もう一回悩んでくれよ杉崎ぃ!」 

杉崎(ウザい……) 



登校中 

みつば「みてなさい杉崎……朝一番絡んで来ると同時に罵倒してやるわ…!」 

ふたば「みっちゃんがいつも通りになったっス」 

ひとは「誰も望んでないのにね。やっと豚から人へ進化するのかと思ったのに堪え性のない豚だよ」 

みつば「雌をつけなさい。ふふ…あんたたちが望んでなくても杉崎が望んでるのよ。3日ぶりの私の罵倒にアイツは目を輝かせて涎を垂らすはずよ…」

ふたば「杉ちゃんMだっけ?」 

ひとは「おばさんの方はね。その血が流れてるだろうけど、目覚めるのはまだ先なんじゃないかな」 

みつば「いいえ! 私が! 今日! 目覚めさせるのよ!」 

みつば「待ってなさい杉崎!!」 



学校 

吉岡「お泊まり会? いいねっ、やろやろ!」 

杉崎「まぁ本当は三つ子の家に泊まったお返しのつもりなんだけど、どうせなら皆でやった方が楽しいじゃない?」 

宮下「前のお泊まり会は長女への悪戯目的だったしな」 

杉崎「最近はみつばも素直だし、今回は普通に友達として招待してあげるわ」 

吉岡「うん、みっちゃんきっと喜んでくれるよ!」 

杉崎(喜んでくれるかしら……) 

吉岡「今度はさっちゃんも呼んであげようね!」 

杉崎「うっ……そ、そうね…」 

宮下「前は何でいなかったんだっけ…?」 

ガラガラ… 

みつば「」スタスタ… 

杉崎「あ、おはようみつば。今吉岡たちと話してたんだけど……」 

みつば「気安く話し掛けてんじゃないわよ! この変態盗撮ぴょんぴょん女!!」 

杉崎「」 

みつば「なに固まってるのよバカ杉崎。目障りだから早く消えなさいよ」 

吉岡「みっちゃん!」 

宮下「おい長女! お前ふざけるなよ!」 

みつば「な、なによ…別にこれくらいいつも…」 

杉崎「……っ」ポロポロ… 

みつば「」 

みつば「え? あんた泣いてるの……?」 

吉岡「みっちゃん! 杉ちゃんはみっちゃんをお泊まり会に…」 

杉崎「いいわよ吉岡!!」 

杉崎「みつばなんて…!」 

杉崎「みつばなんて死んじゃえばいいのよ!!!」ダッ 

宮下「杉崎!」 

みつば「」 

みつば(な、何が起きてるの……)

ひとは「……泣いて喜んでたね」 

みつば「…黙りなさいよ。まだ頭が追い付いてないんだから…」 

千葉「おい見たかよ佐藤。長女のヤツ最近大人しいと思ったら、杉崎が歩み寄ってきた瞬間に突き放しやがったぜ」 

佐藤「これが狙いだったのかよ…」 

ふたば「みっちゃん……杉ちゃんを油断させて突き落とすのが目的だったっスか…」 

みつば「い、いや……私は杉崎が喜ぶと思って…」 

宮下「喜ぶわけないだろ!!!」 

みつば「そうですよね………」 

ひとは 「普通に考えたらそうだよね。謝ってきなよ雌豚」 

ひとは(親が親だからもしかしたら、とは思ったけど…) 

矢部「みんなおはよー、席ついてねー」 

吉岡「矢部っちー! おはよーなんて言ってる場合じゃないよー! 杉ちゃんが…」 

矢部「杉崎さんならさっき廊下で会ったよ。栗山先生にお願いして落ち着くまで保健室に居てもらう事にしたから」 

矢部「もー、何があったの?」 

宮下「長女だよ! 長女が杉崎を弄びやがったんだ!」 

みつば「ちょっと! 弄んだって何よ! 私はいつもみたいに罵倒してやっただけじゃない!」 

吉岡「みっちゃん! 杉ちゃんはみっちゃんと仲良くしようとしてたんだよ!?」 

みつば「はぁ!? 杉崎がそんなこと考えるわけないじゃない! 杉崎と私よ!? バカじゃないのアンタ!」 

宮下「本当だぞ長女! あたしはお前が好かれようとしてるんじゃないかって相談を受けたんだぞ!」 

吉岡「え!? あの相談ってそうだったの!?」 

宮下「あ。い、言ってしまったから仕方ないけどな! 杉崎はお前がその気なら自分も歩み寄ってみたいって言ってたんだぞ!」 

みつば「何よその気って! どの気よ!」 

矢部「ちょっとちょっと皆落ち着いて。みつばちゃん、HR終わったら職員室で話聞くけど、いーい?」 

みつば「し、仕方ないわね…」 



保健室 

杉崎「うっ……うぅ…ぐすっ…」 

栗山「えーと…どうしたら良いのかしら……な、泣いてるからティッシュ? す、杉崎さんティッシュいる?」 

杉崎「ぐすっ…ジッとしてて……どうせ転ぶんだから…」 

栗山「は、はい……」 

杉崎(みつばが歩み寄ってきたと思ったのに…) 

杉崎(私も…それならこっちも歩み寄ろうって思ったのに…) 

杉崎(仲良くしようとしたのに……) 

杉崎(突き放されるのがこんなに……こんなに辛いなんて…) 

杉崎(私は…) 

杉崎(私はみつばの事が好きだったんだわ……!!) 



職員室 

矢部「それでどうしたの? 最近は喧嘩もしないで仲良くしてると思ったのに」 

みつば「別に仲良くなんか……私はただ…アイツを下僕にしてやろうと…」 

矢部「みつばちゃん、僕真面目に話してるんだよ?」 

みつば「私だって真面目に言ってるわよ…」 

ひとは「矢部先生、みっちゃんは杉崎さんを罵倒されて喜ぶ変態だと思ってたんです」 

矢部「どわぁ!? ひとはちゃん!? いつの間に机の下に入ったのぉ!?」 

ひとは「HRを抜け出して先回りしてました」 

矢部「連絡事項とかあるんだからHR最後までいてね……」 

ひとは「そんな事より先生、実はみっちゃんはかくかくしかじか…」 

矢部「……つまりみつばちゃんは、杉崎さんをその……調教しようとしたわけ?」 

ひとは「さすが矢部先生、私たちには思い付かなかった的確な表現です。さすが知識だけは大人ですね。知識だけは」 

矢部「知識だけで悪かったね…」 

矢部「それで、調教しようとしてたって事で合ってるの?」 

みつば「まぁ……そういう事よ…」 

矢部「あのねぇみつばちゃん、そういう事を喜ぶ人がいるのは僕も認めるけど…」 

ひとは「まさにその人である先生が言うと説得力が違いますね」 

矢部「僕じゃないよ…。もうひとはちゃん口出さないでよぉ…」 

矢部「とにかく、そういう人がいるのは事実だけど、だからといって杉崎さんがそんな……」 

矢部「………そんな人なわけないでしょう?」 

みつば「あんただって今迷ったじゃない」 

ひとは「先生今おばさんの方を思い浮かべましたね?」 

矢部「えぇ!? い、いや確かに変わったお母さんだなぁとは思うけど、だからって杉崎さんがそんな……」 

ひとは「私とみっちゃんを見て分かる通り変態と血縁は関係ありません」 

みつば「それどういう意味よ…」 

矢部「とにかく、今回はみつばちゃんが悪いんだから杉崎さんにちゃんと謝るんだよ? 一時間目は遅れてもいいから」 

みつば「わ、分かったわよ…」 

ひとは「大丈夫だよみっちゃん、私が妹として一緒に謝ってあげるから」 

矢部「ひとはちゃんは授業に出るの!」 

ひとは「誰も聞いてない授業に?」 

矢部「誰も聞いてないの!?」 



保健室 

ガラッ 

みつば「……」 

栗山「あ、みつばちゃん」 

みつば「…杉崎は?」 

栗山「今ベッドで寝てるけど……」 

みつば「なんで寝てんのよ」 

栗山「色々疲れたんじゃないかな? 起こした方が良い?」 

みつば「いいわよ別に。起きるまで待つわ。椅子を出しなさい」 

栗山「杉崎さんと何かあったの?」 

みつば「うるさいわね。椅子出してさっさとどっか行きなさいよ」 

栗山「うぅ…私って頼りにならないのね…」 

栗山「それじゃ私職員室にいるから、何かあったら呼んでね?」 

ガラガラ…ピシャッ 

みつば「……」 

みつば「なに寝たフリしてんのよ」 

杉崎「……なんでわかるのよ」 

みつば「寝息くらい立てなさいよ、バカね。そんなので騙せるのあのドジっ子くらいよ」 

杉崎「起きてるとうるさいんだもの…」 

みつば「精力的な無能ってやつね」 

杉崎「そうね…」 

みつば「……」 

杉崎「……」 

みつば「……杉崎」 

みつば「宮下が言ってたんだけど、私と……その、歩み寄ろうとしてたんですって?」 

杉崎「……もういいわよ、バカ。あんたなんて知らないんだから」 

みつば「聞きなさいよ。私は…あんたがそんなつもりだなんて知らなかったから……」 

杉崎「だって! ……だってあんたが思わせ振りな事するから…」 

みつば「そ、それは悪かったわよ……」 

杉崎「だいたい、あんたこそどういうつもりだったのよ…」 

みつば「私は……その…あんたを」 

杉崎「落とす?」 

みつば「っ!? 知ってたの!?」 

杉崎「ふたばから聞いてたのよ。あんたが私を落とすって言ってたこと…」 

みつば「なんだ、そうだったの…」 

杉崎「私を落とすって、本気だったの?」 

みつば「ま、まぁ…そうよ。あんたなら簡単に落とせると思ったけど…まさか失敗するなん…」 

みつば「ん?」 

みつば「あんた私の計画を知ってたなら、なんで歩み寄ってきたのよ? あんたなら逆手にとって何かしてきそうなもんなのに」 

杉崎「だから私は、その……」 

みつば「なによ、言いなさいよ」 

杉崎「あんたがそのつもりなら、私もそうしようかなって…」 

みつば「は!?」 

杉崎「な、なによ…」 

みつば「って事は何!? あんた落とされるつもりだったわけ!?」 

杉崎「べ、別に最初からそう思ってたわけじゃないわ! ただ考えてるうちに……そんなに嫌いじゃないかなって……」 

みつば「なんだ! だったら私の計画は成功だったんじゃない!」 

杉崎「そ、そうなるわね…」 

みつば「もう、急に泣き出すからビックリしたじゃない」 

杉崎「私だって泣くとは思わなかったわ。だいたいどうして急に冷たくしたのよ」 

みつば「あれはアメとムチって奴よ」 

杉崎「押してダメなら引いてみろってヤツね」 

みつば「そうとも言うかしら? 微妙に違うんじゃない?」 

杉崎「みつばが間違ってるのよ。みつばはバカなんだから」 

みつば「まぁいいわ。つまり杉崎が私の物になったという結果があればいいのよ」 

杉崎「あんたの物ってそんな…」 

みつば「それじゃ杉崎! 私の望み通りになってくれるのね!?」 

杉崎「し、仕方ないわね……なってあげるわ」 

みつば「私の…」 

杉崎「あんたの…」 

みつば「下僕に!」 杉崎「恋人に!」 

杉崎「…」 みつば「…」 

杉みつ「は?」

杉崎「……」 

みつば「…あんた今なんて言った?」 

杉崎「あ、あんたこそ何て言ったのよ」 

みつば「だから私はあんたを下僕に…」 

杉崎「はぁ!? 下僕ぅ!? なんで私がみつばの下僕になるのよ!?」 

みつば「あんたが今自分で言ったんじゃない! 言った通り私の下僕にその身を落としなさいよ!」 

杉崎「落とすってそういう……!?」 

みつば「当然じゃない。あんたこそ何だと思ってたのよ?」 

杉崎「私は……あ、ああ…ああああああああああ!!」ガバッ 

みつば「ちょっと! なに布団被ってんのよ! あんた何て言ったのよ!?」 

杉崎「うるさい! 死ね! みつばなんて死んじゃえ!」 

みつば「意味わかんないわね! あんた下僕になったんだから明日から毎日スイーツを献上しなさいよね!」 

杉崎「下僕じゃないわよ! なんてことなの! こんなの私の人生最大の汚点だわ! 黒歴史よ!」 

みつば「何をぴょんぴょん言ってるのよ! 人と話す時は顔を見せなさいよ杉崎!」ガバッ 

杉崎「きゃあ!」 

みつば「はんっ! なに顔真っ赤にしてんのよ変態女!」 

みつば「………」 

みつば「なんで赤くしてんの?」 

杉崎「うるさい! 死ねバカみつば! そのお腹の肉をもいで殺してやるわ!」ガシッ 

みつば「ぎゃあ! 人の腹掴んでんじゃないわよぴょんぴょん女! 離しなさい! このっ…このっ…!」ビヨーン…ピシッ ビヨーン…ピシッ 

杉崎「私の髪で攻撃しないでよ! こうなったらあんたを殺して私も死ぬんだから!」 



ガラッ 

吉岡「杉ちゃん、遅いから授業抜けて様子見に…」

宮下「長女ー、ちゃんと謝っ…」 

みつば「離しなさいよバカ杉崎!」ビヨーン…ピシッ ビヨーン…ピシッ 

杉崎「死んでやるんだから! あんたを殺して死んでやるんだから!」 

吉岡「杉ちゃん!?」 

宮下「なにやってんだ…」

吉岡「ふ、二人とも喧嘩はやめようよー!」 

宮下「喧嘩かこれ……? もうこの二人はこれで良いんじゃないか吉岡…。杉崎も元気になってるし…」 

みつば「変態女! ぴょんぴょん! 盗撮魔!」ビヨーン…ピシッ ビヨーン…ピシッ 

杉崎「死んでやる! 死んでやるー!」 

杉崎「みつばなんて!」 

杉崎「みつばなんて大嫌いなんだからー!!!」 



後日 学校 

みつば「結局下僕にするどころかスイーツの献上もさせられないなんて、私の計画はなんだったのかしら」 

ひとは「罵倒なんかせずにあのまま仲良くなってたら良かったんじゃないかな」 

みつば「そんなの仲良くなる意味がないじゃない。私の周りにいる者は全て私に罵倒されるために存在すべきなのよ」 

ひとは「だからみっちゃんの周りには蟻しか寄ってこないんだよ」 

みつば「なんですって……!」 

ふたば「小生はみっちゃん大好きっスよ?」 

みつば「ふたば! あんたが杉崎に余計なこと言ったから計画が失敗したのよ! 反省して今日の給食のオカズを献上しなさい!」 

杉崎「あーらみつばさん、自分の失敗を妹のせいにするなんて器が小さいんじゃないかしらー?」 

みつば「……何しに来たのよ下僕のなり損ない。スイーツはどうしたのよ」 

杉崎「あんたにあげるスイーツなんてないわよ。私はただあんたのバカな顔を見て優越感に浸ろうと思っただけよ」 

みつば「劣等感の間違いじゃないの。あんたなんて私の引き立て役にしかならないわよ」 

杉崎「このっ…!」 

吉岡「もーやめなよ杉ちゃん」 

宮下「相変わらずだなぁ…」 

杉崎「そうだ! せっかくだからあんたのバカ面をケータイで撮ってあげるわ」スッ 

吉岡「あれ? 杉ちゃん今の待ち受けって……」 

宮下「杉崎それこの間の…」 

杉崎「ちょ!? 勝手に覗かないでよ!」 

みつば「なによ? ケータイの待ち受けがどうしたのよ?」 

杉崎「な、なんでも無いわよバカみつば!」 

吉岡「杉ちゃん! 私は応援するよ!」 

宮下「頑張れよ杉崎!」 

杉崎「ち、ちが…!」 

みつば「なによ? 待ち受けがどうしたのよ。気になるじゃない」 

杉崎「ダメ! あんたにだけは絶対見せないんだから!」 

吉岡「そうだよねー、見せられないよねー」 

宮下「これは長女に見せるわけにはいかないなー」 

杉崎「こ、この二人っ…!」 

みつば「だから何なのよ。見せなさいよ」 

杉崎「うるさいわね! 見せないって言ってるじゃない! 気が変わったわ! いくわよ吉岡! 宮下!」 

吉岡「またまた照れちゃってー」 

宮下「素直じゃないなー」 

杉崎「キィー! うるさい! 違うって言ってるじゃないの!」 

みつば「何だったのよアイツ……スイーツも持ってこないし」 

みつば「…せっかく計画を立てたのに結局いつも通りね」 

みつば「はぁ…上手くいかないわ」 



吉岡「へーいへーい」 

宮下「へーいへーい」 

杉崎「ち、違うって言ってるのにぃーー!!!」 

へーいへーい 

おわり 


元ネタ「みつどもえ」


【チープなバッテリーでは大切なスマホが破壊されてしまいます】



スポンサーサイト

コメント

感想!

これは素晴らしい力作!

他の方の書いたSSってあまり読んだことがなかったのですが、
みつどもえのような作品の場合、どれだけ違和感なくキャラクターの
台詞や行動を再現できているかが肝心かと思います。
その点で本作は漫画本編のやり取りをすんなりイメージできるくらい、
引っかかりもなくスムーズに読み進めることが出来ました。
特に杉ちゃんの揺れ動く心情描写が上手いな~と唸らされました。

「杉×みつ」は相思相愛、と言われてはいるものの、基本的には
杉→みつの矢印の方が太いですよね。
なので実際にみっちゃんがこんなふうにちょいと突っついてあげたら
それだけでもう簡単に落ちちゃいそうですw
エピローグ部分の待ち受け写真も、杉ちゃんならきっとそうするだろうなあと
納得のオチでございました。本当にごちそうさまです。

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

コメントの投稿

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。